★穴場チックな北海道2★ 有島記念館
ニセコ町 「有島記念館」

「文学が息づく大地へ――有島武郎の思想に触れる、ニセコの静かな感動」
北海道ニセコ町にある文学と歴史が交差する魅力的なスポット「有島記念館」は、大正期の文豪・有島武郎の思想と足跡を今に伝える文化施設です。彼が所有していた農場跡地に、1978年「相互扶助」の精神を象徴する場として設立されました。

有島武郎は「カインの末裔」「或る女」などの作品で知られ、社会的な矛盾や人間の内面を鋭く描いた作家として文学史に名を刻んでいます。しかし、彼の魅力は作品だけにとどまりません。彼は実業家の父・有島武から受け継いだニセコの広大な農場を、小作人たちに無償で解放するという前代未聞の行動を起こしました。それは「相互扶助」の思想に基づくものであり、北海道の農業史にも深い影響を与えました。

有島記念館は、その農場跡地に1978年に設立されました。館内には、有島武郎の生涯を辿る資料や直筆原稿、写真、書簡などが展示されており、彼の文学的・社会的思想を多角的に学ぶことができます。展示は時代背景や彼の人間関係にも触れながら構成されており、単なる文学館ではなく、彼の「生き方」に触れる場としての深みがあります。
周囲には、かつての農場の面影を残す風景が広がり、四季折々の美しさが訪問者を迎えます。春には新緑が芽吹き、夏には青空と緑のコントラストが鮮やかに映え、秋には紅葉が彩りを添え、冬には雪に包まれた静寂が心を洗います。ニセコの自然と有島の思想が交差するこの場所は、観光地としてだけでなく、心を整える「知の旅」の目的地としても魅力的です。




また、記念館には地元の人気カフェ「高野珈琲店」が併設されており、展示を見た後にゆったりと読書や対話を楽しむこともできます。文学と自然が融合するこの空間は、訪れる人々に静かな感動と思索の時間を提供してくれます。
- 所在地:北海道虻田郡ニセコ町字有島57
- 開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)、年末年始
- 入館料:大人500円、高校生100円、中学生以下無料
- ホームページ:https://www.town.niseko.lg.jp/arishima_museum/

